人工透析についてDialysis

人工透析の治療方針

チーム医療で寄り添いながら“大切な時間”を共有し
安心して過ごせる“心地よい空間”を提供します。


高齢化に伴い、知らず知らずさまざまな合併症をお持ちの方が増えています。
透析患者さんを診ていくうえでも、総合内科的な管理と診断治療がますます重要となってきています。

可能な限り治療を行ったにもかかわらず腎機能が低下してしまった方への第2の人生として、チーム医療としてサポートしていきます。

当クリニックでは、われわれ常勤医だけでなく、山梨大学医学部付属病院の腎臓内科医・泌尿器科医・循環器科医(透析患者専門外来)・救急医にもチーム医療に参画いただき、より質の高い透析医療を提供できるよう、常に心がけています。

患者さん一人ひとりにチーム医療で寄り添いながら“大切な時間”を共有し、安心して過ごせる“心地よい空間”を提供することがわれわれの願いです。

透析スケジュール

8:45~14:00
(午前帯)
13:40~18:00
(午後帯)
17:00~21:40
(夜間帯)
  • 各クールにて4~5時間で透析治療を行なっておりますが、病態等により診療時間・スケジュール等を適宜変更して行なう場合がございます

送迎・臨時透析について

当院での維持透析患者さんへの無料送迎および臨時透析について、7月より再開させていただきます。
新型コロナウイルス感染症が流行中ですので、原則2回の新型コロナワクチン予防接種を済ませた患者さんに限らせていただきます。また無料送迎におきましては当院規定に沿った運用とさせていただきます。詳しくはお気軽にご相談ください。

透析治療

当院では全台において血液透析濾過(HDF)治療を行い、治療時間も5時間透析治療をより多くの患者さんに施行できるようお勧めしています。こうして、各患者さんの状態に適したテーラーメード透析治療を行っています。 透析システム全体の『トータルクリーン化システム』による管理と、定期的な水質検査により、安全な透析治療が行える水質を確保しています。

オンラインHDF

通常の血液透析で取り除くことが難しい物質(中・大分子量の尿毒素)を除去するために開発されたシステムです。 血液透析濾過(HDF)とは、血液透析(HD)と血液濾過(HF)両者の良いところを併せ持つ治療法です。ヘモダイアフィルターの前か後ろのどちらかに透析液を入れることで、それぞれ前希釈・後希釈HDFと呼ばれます。 それぞれの治療に長所と短所があり、患者さんの状態に応じて治療を行っています。

臨床効果

高血圧・心肥大・腎性貧血・栄養状態・透析アミロイドーシス・手根管症候群・入院率・生存率・費用対効果などに効果があるとの報告もあり、透析低血圧と患者さんQOL(生活の質)改善にはかなりの効果があるのではないかと考えられています。

水質管理と透析液の清浄化

オンラインHDF治療においても逆濾過透析液が体内に入るため、厳しい水質管理と透析液の厳重な清浄化が必要です。

β2-ミクログロブリン吸着療法

β2-ミクログロブリンを除去する手段として、β2-ミクログロブリン吸着カラムを用いた吸着療法があります。

この吸着カラムはリクセルと呼ばれるもので、β2-ミクログロブリンだけでなくサイトカインも吸着されるため、諸関節の痛み、夜間覚醒回数、日常生活動作、筋肉痛、発熱、骨嚢胞進展抑制効果など様々な臨床効果の報告があります。リクセルに適応ある患者さんに使用します。

LDLアフェレーシス(LDL血漿吸着)

患者さんの血液を血漿分離器で血球と血漿に分け、結晶中のLDL(いわゆる悪玉コレステロール)という動脈硬化などの病因関連物質を吸着・除去する治療法です。適応となる疾患は、家族性高コレステロール血症・難治性高コレステロール血症・閉塞性動脈硬化症・巣状糸球体硬化症・全身性エリテマトーデスなどです。

リポソーバーシステム

新しいLDLアフェレシス(レオカーナ)について

レオカーナは直接血液灌流(DHP)型でより簡便な回路で吸着が可能となりました。潰瘍を有する重症化した閉塞性動脈硬化症(ASO)を治療する目的で、病因物質であるLDL-コレステロールやフィブリノーゲンを選択的に除去する吸着カラムです。2021年4月より適応開始となっており、当院でも治療が可能です。

アクセス管理

安定した血液透析を行う上での個々のアクセス管理は非常に重要なものです。
当クリニックでは毎日の穿刺時以外にも定期的にエコーでシャントの状態を精査し、さらにチームでアクセス管理を行っています。
もし治療が必要な病態が出現した際には速やかに当クリニックでVAIVT治療(手術)を行い、シャントの合併症や閉塞予防に努めています。
VAIVT治療は学会認定の専門医の資格を持った医師が治療を行っていますが、通常の外来治療では対応が困難な病態には山梨大学医学部附属病院などの基幹病院と連携して迅速な対応が行えるような体制を構築しています。

透析医療は何よりも“チーム医療”がとても重要です。
当クリニックでは多領域/多職種のスタッフが診断治療方針に様々な視点から参画して、慢性維持透析管理に携わる体制をとっています。

腎臓内科医・泌尿器医・救急医・循環器科医
臨床工学技士・看護師・管理栄養士・事務・アシスタントetc.

全員がチームワークで患者さんに寄り添うことができている……。
これがわれわれの誇りです。

使用機器

東レ社製 全自動透析監視装置
TR-3300M type B
東レ社製 全自動透析監視装置
TR-3000MA